つくる
2026.05.29

料理人が16人いる工場。

——Bラインが守る、手仕事の技術と現場を支える人の力

八千代工場 商品価値創造部 Bライン総菜加工グループの豊田さん・中村さん
八千代工場 商品価値創造部 Bライン総菜加工グループの豊田さん・中村さん

9月から12月、石井食品のBライン(デリカ工場)はほぼ100%稼働しています。栗ご飯が始まれば栗の処理から。おせちが近づけば、煮物、角煮、黒豆——それぞれを丁寧に仕上げていく。着色せず、漂白せず、素材をそのまま製品にする。
大量生産を前提としないBラインならではの仕事です。多品種・少量・受注生産。その時にしか作れない旬の素材を、失敗できない緊張感の中で16人が手を動かし続けています。
Bラインの現マネージャー・豊田さんと、32歳でパートとして入社し社員登用を経た元マネージャーの中村さんに、現場の誇りと苦労を語っていただきました。
司会・編集:オウンドメディア編集部(ESG推進チーム:仲山・岸/顧客体験デザイン部:坂本)

目次

  • 自己紹介と現在の役割
  • Bラインだからこそできること
  • 栗ご飯——無添加調理※ の証と、伝わらない手間
  • エビも、衛生も、妥協しない現場
  • パートから、マネージャーへ

自己紹介と現在の役割

仲山: まずは自己紹介をお願いします。

豊田: 2025年4月からBラインのマネージャーとして異動してきました。生産計画やシフトの管理が主な仕事で、Bラインが毎日動けるよう段取りを整えています。

中村: 中村です。現在、定年再雇用でBラインで働かせてもらっています。32歳でパートとして入社しまして、ずっとBラインに携わってきました。コンビニエンスストア向けの惣菜や炊き込みご飯など、いろいろ経験してきました。

坂本: 豊田さんが生産計画・管理を担い、中村さんが現場を支える——二人で補完し合っている形なのですね。

豊田: そうですね。中村さんが現場を見てくれているので、私が全体の段取りに集中できています。Bラインが回っているのは、中村さんはじめ現場のメンバーのおかげです。

対談する豊田さんと中村さん
対談する豊田さんと中村さん

Bラインだからこそできること

仲山: Bラインは、Aライン(チルド工場)と何が違うのでしょうか。

豊田: Bラインはひと言で言うと「手仕事の工場」です。栗ご飯、角煮、——さまざまな商品を少量ずつ、受注に応じて作っています。チルド工場が見込み生産で大量に均一な商品を作るとすれば、Bラインは受注が入ってから動くスタイルです。1日で何種類もの商品を切り替えながら作ることもあって、その都度ライン全体を洗浄してから次の商品に入ります。

中村: 手間のかかり方が商品によって全然違うんです。カレーのように具材がたくさん必要な商品だと、人手も時間もかかります。大変ではありますが、こだわりのある商品を作れるのがBラインの良さでもあります。

仲山: 三工場の中でも、一番多様な商品を作れる工場だとお聞きしています。

豊田: そうですね。パンやデザートにも対応できるし、急に新しい商品が入ってきても受け止められるノウハウが蓄積されています。

栗ご飯——無添加調理※ の証と、伝わらない手間

坂本: 9月からの栗ご飯の製造は、Bラインの一大イベントですね。

豊田: そうです。栗ご飯は、石井食品らしさが凝縮された商品だと思っています。着色せず、漂白せず、国内で皮剥きした栗をそのまま使っている。あれだけ手間をかけている商品は、なかなかないと思います。

中村: ただ、どうしてもお客様に伝わりにくいことがあって。栗の表面に黒っぽいシミが出ることがあるんですが、あれはポリフェノールが染み出たもので、腐っているわけではないんです。でも見た目でどうしても「不良品」に見えてしまって、ご連絡いただくことがある。美味しい栗なのに、それが伝わらないままお客様の手元に届かないのは、もったいないと感じています。

豊田: 無添加調理※ だからこそ出てしまうシミで、ある意味「無添加調理※ の証」でもある。そこをどうお客様に伝えていくかは、ずっと考えているテーマです。栗の糖度や風味を数値化して、シミがあっても美味しさに問題がないことをきちんと示せると、また違ってくるかもしれない。

インタビュー風景
インタビュー風景

エビも、衛生も、妥協しない現場

仲山: Bラインでは衛生管理も非常に厳しいと伺っています。

中村:Bラインではエビを生のまま一旦袋詰めしてから加熱・殺菌する『生詰め』を行っています。一般的な方法は一度加熱・殺菌してから袋詰めしますが、生詰めする分手間はかかるものの、エビのプリプリ感や風味が格段に違います。美味しさを守るための選択です。

豊田: 「生詰め」する分、衛生管理の徹底が欠かせません。手袋・エプロン・入室管理、すべてにおいて基準が厳しい。

中村: アレルゲン管理も同様で、エビを使う日とそうでない日では、充填機を含む設備を完全洗浄してから切り替えます。一日の中でも複数の商品を作ることがあるので、洗浄と切り替えだけでもかなりの時間がかかります。でも、それをきちんとやるから安心して届けられる。その意識はBラインのメンバー全員が持っています。

インタビュー風景
インタビュー風景

パートから、マネージャーへ

坂本: 中村さんは、32歳でパートとして入社して、マネージャーまで歩んでこられました。振り返ると、どんなキャリアでしたか。

中村: 続けてこられたのは、周りにいい人が多かったからだと思っています。自分を褒めることはあまり得意ではないのですが、続けられたことだけは褒めてあげたいかな、という気持ちがあります。

仲山: マネージャーになった時が一番大変だったと伺いましたが。

中村: そうですね、一番つらかったです。今まで現場で作業してきたのが、今度は取引先との折衝や工程変更のスケジュール調整など、まったく慣れないことばかりになって。「もう無理かもしれない」と思った時期もありました。でも豊田さんや一緒に携わる方々が助けてくれて、なんとかここまでこられました。

豊田: 中村さんはその苦労を知っているから、今は若いメンバーを自然と支えてくれています。それがBラインの雰囲気の良さにつながっている気がします。

中村: Bラインは人の良さがある職場です。何かあれば「助けて」と言い合える。工場は一人でも欠けたら動かなくなることがあるので、互いに支え合うのが当たり前になっています。急に誰かが来られなくなれば、誰かが早めに駆けつけてくれる。そういう職場です。

笑顔の中村さん
笑顔の中村さん

【編集後記】 「美味しい栗なのに、シミがあるだけで返品されてしまう」——中村さんがぽつりと言った言葉が残っています。手間をかけているからこそ出るシミで、それが無添加調理※ の証でもある。でも見た目だけで判断されてしまう。Bラインの現場では、伝わらない努力が積み重なっています。それを言葉にして届けることが、オウンドメディアの仕事だと改めて感じました。

※当社での製造過程においては食品添加物を使用しておりません。