【和歌山県由良町】知る人ぞ知る西日本のにんにく産地
和歌山県由良町は、西日本でも知る人ぞ知る国産にんにくの産地です。ここで育つ生にんにくは「にんにくなのに甘い」「翌日に残りにくい」と、食べた人のイメージを静かに塗り替えてきました。2026年5月12日、JA和歌山 日高北部にんにく部会・会長の濵野さんを訪ね、収穫まっただ中の選別作業場で、そのおいしさの秘密を直接お聞きしました。
目次
- 由良町とは――香り高く甘いにんにくが育つ、知られざる西日本の産地
- 「作り始めたら面白くて」――350トン産地の記憶を継ぐ農家の覚悟
- 香り高い由良の生にんにく
- 「引いてみないとわからない」――甘さを生む土と、気候変動との闘い
- 石井食品とのつながり
由良町とは――香り高く甘いにんにくが育つ、知られざる西日本の産地
由良町は、和歌山県日高郡に位置する人口約4,800人の海沿いの小さな町です。温暖な黒潮気候と、水分を保ちやすい粘土質の農地が組み合わさるこの土地は、和歌山県内最古級のにんにく産地であり、最盛期には年間約350トンもの収穫量を誇った、にんにくの伝統的な産地でもあります。
「作り始めたら面白くて」――約350トン産地の記憶を継ぐ農家の覚悟
プロフィール
JAわかやま 日高北部にんにく部会 部会長 濵野さん
由良町出身。みかんを主力とする兼業農家に育ち、JA(農業協同組合)に勤務した後、専業農家として独立。現在は野菜を中心に多品目を栽培しながら、にんにく部会の部会長として由良のにんにく産地復興を牽引しています。
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5月12日、JA和歌山由良町で由良にんにくを生産する濵野さんのもとを訪れました。
濵野さんが独立した頃、最盛期に350トンを誇った由良のにんにく収穫量は、すでに20〜30トンにまで落ち込んでいました。みかん農家の収益が下がる中、にんにくへ転換する農家も現れましたが、手間と単価が見合わなくなり次第に離れていきました。それでも前会長とともに産地を守ろうと動き始めた濵野さんは、少しずつ栽培面積を広げていきました。
「来年もう少し増やそうか、また増やそうかって、気づいたら今の面積になっていました。ただ、増やしすぎてもいいものは作れないというのも分かってきて」
JA時代、出荷最盛期には軽トラが二、三台分往復するほどのにんにくが集まり、毎日休みなく荷受けをこなしていました。その光景を知るからこそ、産地をもう一度大きくしたいという思いは消えません。
香り高い由良の生にんにく
由良の生にんにくが甘い理由は、「水分」にあります。
スーパーで一年中手に入る白く乾燥したにんにくは、長期保存のために乾燥処理を施したものです。乾燥の過程で水分が失われると同時に、辛味・臭いが凝縮されます。一方、由良の生にんにくは収穫後に乾燥させず、みずみずしい水分をたっぷり含んだまま出荷されます。この豊富な水分が辛味成分をマイルドに保ち、素材本来の甘みを前に押し出します。
「食べた人に聞いたら、由良の生にんにくは香り高くて、にんにくのイメージが変わると言ってくれます。にんにくなのに甘さを感じると。」
由良の生にんにくは糖度が高いため、発酵・熟成させた黒にんにく作りにも最適です。健康習慣として愛好家が多く、中には毎日食べるために1年分(365日分)をまとめて購入していく熱心なファンもいます。
「引いてみないとわからない」――甘さを生む土と、気候変動との闘い

由良の生にんにくの甘さは、土と気候が生み出すものです。しかし、その甘さを安定して引き出すことは年々難しくなっています。由良の農地は粘土質で水はけが悪く、雨の後に水が溜まると根腐れや病気が一気に広がります。
「畝を高くして、雨が降っても水が低い方へ流れるようにする。水が溜まり込んだら病気の発生が一番速いんです」
近年の気候変動により、秋の植え付けから春の収穫まで年によって結果が大きく振れるようになりました。「にんにくは引いてみないとわからない」——その言葉には、自然と正直に向き合う濱野さんの覚悟を感じました。目標は2L(1玉100g超)。それでも産地を守り、甘いにんにくを届け続けています。
石井食品とのつながり
2025年より濵野さんをはじめ生産者とヒアリングを重ね、由良町の生にんにくを使用した商品づくりに着手。
石井食品が開発・販売する「和歌山 由良町の生にんにくを使ったハンバーグ」は、にんにく独特の刺激が少なく、まろやかな旨みが特長です。
「子どもが美味しいって食べてくれた、という声を聞いた時は嬉しかった。にんにく入りのハンバーグを子どもが美味しいって食べてくれたということは、子どものにんにくに対するイメージが変わったということだと思う。大人しか食べないものが子どもまで浸透していくのは、農家としてこんなに嬉しいことはない。」
由良生にんにくは、着実に地域ブランドとしての認知が広がっています。
商品紹介
「にんにくが苦手な方にこそ、食べてみてほしい。 和歌山・由良町の生にんにくは、「にんにくなのに甘い」と、大人も子どもも食べた人のイメージを静かに変えてきた素材です。 今しか届かない初夏の味を、ハンバーグに。家族みんなで由良の生にんにくをどうぞ。

和歌山由良町の生にんにくを使ったハンバーグ トマトソース
販売店情報:関西エリアを中心とした量販店ほか
※季節限定のため、なくなり次第販売終了となります。