味噌は"飲む薬"だった──発酵の知恵が食卓を変える
ラジオ「石井食品 presents おいしいの種」#3
毎週日曜日の朝、ゲストを迎えながら「おいしいって、なんだろう?」をテーマに語り合うトーク番組「石井食品 presents おいしいの種」。今回のゲストは、ハナマルキ株式会社代表取締役社長・花岡周一郎さん。味噌一筋100年以上の老舗を率いる4代目と、石井智康(石井食品株式会社 代表取締役社長)・岩田知佳さん(「石井食品 presents おいしいの種」DJ)の同い年トリオが、発酵食品の魅力と食卓を豊かにするヒントを語り合いました。
目次
- ハナマルキ4代目が語る、味噌蔵で育った原点
- 「発酵」と「腐敗」は、実は同じ作用だった
- 味噌の効能、「医者いらず」の理由
- ドジャースタジアムで味噌ドレッシング!? 世界に広がる発酵食品
- 今日から試せる!味噌の隠し味レシピ
- まとめ
ラジオ出演者
花岡 周一郎(はなおか しゅういちろう)
ハナマルキ株式会社 代表取締役社長。大正7年(1918年)創業の味噌蔵に生まれ、4代目として家業を継ぐ。幼い頃から祖父と父が味噌蔵で語り合う姿を見て育ち、発酵食品の魅力と可能性を国内外に広げることをライフワークとしている。石井社長とは食品業界を共に担う同世代の経営者仲間。
岩田 知佳(いわた ちか)
InterFM ラジオDJ。千葉県船橋市出身。石井食品・石井智康社長と同郷・同級生という縁から、ラジオ番組「石井食品 presents おいしいの種」のDJを務める。2児の母としての日常や、食と子育てにまつわるリアルな視点が持ち味で、ゲストから自然体の言葉を引き出す聞き上手。毎週日曜の朝、食を通じた温かい会話をリスナーに届けている。
石井 智康(いしい ともやす)
石井食品株式会社 代表取締役社長。千葉県船橋市出身。同世代の経営者や地域の仲間とのつながりを大切にし、食品業界の未来と食文化への貢献を発信し続けている。娘を育てるパパとしての顔も持ち、日々の食卓に寄り添う目線を経営にも番組にも活かしている。毎週日曜の朝、食の楽しさと大切さをリスナーへ届けるホストを務める。
ハナマルキ4代目が語る、味噌蔵で育った原点
岩田さん:今日のゲストはどんな方なんですか?
石井:食品業界に来て、初めてできた他社の友人なんです。同い年の経営者なので、悩みを共有したり、業界の未来について語り合ったりしていて。
岩田さん:いいですね。では3人同い年トリオでお送りします! 花岡さん、ハナマルキは大正7年(1918年)創業ということで、今年で100年を超えますが、何代目になりますか?
花岡さん:私は4代目になります。
岩田さん:引き継ぐ時はどんな思いでしたか?
花岡さん:もともと味噌屋で育っていますので、父の背中を見て、継ぐことは自分の役目なのかなと感じていました。小さい頃から、祖父と父が味噌蔵の中で味噌の出来栄えについて話している姿を見ていたので、自然な流れでしたね。
石井:100年を超える会社を継承する重みはすごいと思います。
「発酵」と「腐敗」は、実は同じ作用だった
話が味噌の効能に差しかかったとき、石井がリスナーに向けてクイズを投げかけました。
石井:「発酵」と「腐敗」の違いって知ってますか?
岩田さん:どう違うんですか?
石井:作用としては一緒なんですよ。でも、人間にとって良い変化が起こったときに「発酵」って呼ぶんです。
味噌の効能、「医者いらず」の理由
岩田さん:「味噌は医者いらず」という言葉もありますが、効能について教えてください。
花岡さん:原料は大豆と米と塩ですが、大豆を発酵させることで、体内で作ることができない必須アミノ酸などを吸収できるのが大きな効能です。最近は塩分を気にされる方も多いですが、味噌には食物繊維も豊富に含まれていますし、減塩の味噌もたくさん出ています。
岩田さん:腸活にもいいんですね。
花岡さん:そうなんです。毎日の味噌汁一杯が、体を整える大きな力になっています。
ドジャースタジアムで味噌ドレッシング!? 世界に広がる発酵食品
花岡さん:去年アメリカに行ったとき、ドジャースタジアムで「味噌ドレッシングサラダ」が売られていたんですよ。とても驚きました。
岩田さん:え、ドジャースタジアムで!?
花岡さん:日本食が海外で一般的になり、需要が伸びています。海外では加工度が高い「ハイパー・プロセス・フード(超加工食品)」を控える動きがあり、数ヶ月かけて作る味噌のような「スローフード」や発酵食品への評価が高まっているんです。
石井:ミシュランのシェフたちも使ってるって聞きますよね。
花岡さん:そうなんです。自分で麹を作るシェフも増えています。「Miso Soup」以上の広がりを世界で見せていますね。
この15年で輸出量・金額ともに3倍※になったという味噌。「スローフード」としての価値が世界中で再発見されています。
※全国味噌工業協同組合連合会「みそ業界の現状について(統計等データ 生産、出荷、消費、輸出)」
今日から試せる!味噌の隠し味レシピ
花岡さん:カレーにほんの少しだけお味噌を入れると、コクと旨味が加わって、一晩寝かせたような深みが出るので非常におすすめです。
岩田さん:私もやってます! 家族に好評です。カレースプーン半分くらいがちょうどいいですよね。
花岡さん:そうです、そのくらいで十分です。ほんの少しでガラッと変わりますよ。
さらに岩田さんが「母から教わったんですけど」と続けて紹介してくれたのが、マヨネーズに味噌と醤油を少し混ぜ、最後にごまを加えるドレッシング。
岩田さん:これをかけると、子供も野菜をパクパク食べるんです。
花岡さん:食育にもなりますし、手軽でいいですね。
まとめ
大豆・米・塩という3つの原料から、発酵の力で必須アミノ酸や食物繊維を生み出す味噌は、「医者いらず」と呼ばれてきた機能性の高い調味料です。「発酵」と「腐敗」は作用として同じでも、人間にとって良い変化をもたらすかどうかで呼び方が変わる──そんな発見も、この放送の醍醐味のひとつでした。世界的な健康志向の高まりを追い風に、味噌はいまや海外でも注目のスローフードとして広がりを見せています。カレーの隠し味や味噌ドレッシングなど、日常料理への活用法はどれも手軽で効果大。大正7年(1918年)創業、4代にわたって味噌文化を守り続けてきたハナマルキの底力を、改めて感じた放送でした。
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