農業は自由で、創造的|梨農家が描く、つくる・届ける仕事と地域の未来
ラジオ「石井食品 presents おいしいの種」#24
毎週日曜日の朝、ラジオ番組「石井食品 presents おいしいの種」では食の楽しさと大切さをお届けしています。今回のゲストは、千葉県横芝光町(よこしばひかりまち)の「梨工房 城山みのり園」の實川勝之(じつかわかつゆき)さん。梨づくりから加工、レストランまで手がける實川勝之さんに、担い手不足や省力化、家族への思いを通して、「農業は自由で、創造的」という仕事の魅力を伺いました。
目次
・農家が減るなか、少ない人数でも続けられる仕組みを
・「推し農家」を見つけることから始まる応援
・梨を一年中楽しむ、農家のキッチンLABO
・継ぐことを強制せず、仕事の楽しさを伝える
・まとめ|農業は、ゼロから新しい価値をつくる仕事
ラジオ出演者
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實川勝之(じつかわ かつゆき) 株式会社アグリスリー代表取締役。パティシエを経て実家の農園を継ぎ、2011年に同社を設立。千葉県横芝光町で米や梨、野菜を生産するほか、観光農園「梨工房 城山みのり園」の運営や加工品開発にも取り組む。千葉県農業協会会長でもあり、地域との連携を大切にしながら、農業の新たな可能性を広げている。 |
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岩田 知佳(いわた ちか) InterFM ラジオDJ。千葉県船橋市出身。石井食品・石井智康と同郷・同級生という縁から、ラジオ番組「石井食品 presents おいしいの種」のDJを務める。2児の母としての日常や、食と子育てにまつわるリアルな視点が持ち味で、ゲストから自然体の言葉を引き出す聞き上手。毎週日曜の朝、食を通じた温かい会話をリスナーに届けている。 |
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石井 智康(いしい ともやす) 石井食品株式会社 代表取締役社長。千葉県船橋市出身。同世代の経営者や地域の仲間とのつながりを大切にし、食品業界の未来と食文化への貢献を発信し続けている。娘を育てるパパとしての顔も持ち、日々の食卓に寄り添う目線を経営にも番組にも活かしている。毎週日曜の朝、食の楽しさと大切さをリスナーへ届けるホストを務める。 |
農家が減るなか、少ない人数でも続けられる仕組みを
岩田さん:實川さんは千葉県農業協会会長も務められていますよね。梨の消費量は現在伸びているのでしょうか?
實川さん:梨のみならず、果物全体で減少しています。日本の人口減や高齢化で消費量が減っていることや価格の高騰が影響しています。加えて生産者も減っているため、さらに価格にも影響が出てしまっていますね。
岩田さん:農家の減少や高齢化が進むなか、今後はどのような取り組みが必要でしょうか?
實川さん:まずは生産数を増やしていきたい。一方で農家数が減少していく中で、少ない人数でも続けられる仕組みの1つとしてロボット導入やDX化などに向け、いろいろな方と共同研究を進めています。
岩田さん:城山みのり園で、すでに効果が出ている工夫はありますか?
實川さん:整然と枝を配置する自社の栽培方法は、実は省力化の栽培方法に繋がっています。作業を教えやすく、動きやすいので、通常より3〜4割ほど作業を減らせています。今後はロボット草刈り機も検討しています。
「推し農家」を見つけることから始まる応援
岩田さん:わたしたち消費者は、農業を支えるために何を意識したらよいでしょうか?
實川さん:高いものを買い続けるのは負担になります。わたしたち農家が、なるべく手に取りやすく届けられる栽培の仕組みをつくることも必要です。つくる側と買う側、両方の工夫が大切だと思います。
石井:梨に限らず、自分の好みに合う「推し農家」を探してみてほしいです。スーパーの産直コーナーや道の駅で名前を見たり、レストランでおいしいと思った食材の生産者を調べたりする。少し手間をかけてつくり手を知ることが、応援につながります。
岩田さん:顔の見えるつくり手を少し検索してみるだけで、買い物の見え方も変わりそうですね。
梨を一年中楽しむ、農家のキッチンLABO
岩田さん:農園の向かいには「コミュニティカフェ&農家のキッチンLABO Farm to…」があります。どんな場所ですか?
實川さん:梨を使った料理やデザート、飲み物を楽しめるレストランです。同時に、農産物の加工を試し、できたものをお披露目する場所でもあります。だから、名前に「LABO」が入っています。

カフェ外観 (提供:コミュニティカフェ&農家のキッチンLABO Farm to…)
岩田さん:農家直営だからこそ、野菜も盛りだくさんですし、梨カレーなどもあるんですね。
實川さん:梨カレーは大人気メニューで、ルウにも具にも梨が半分入っています。インドカレーをベースとしたスパイシーな味が特長です。またレストランで使用される梨は、品質や味には問題がないが、見た目のサイズや形、傷などの理由でスーパーなど出荷が難しくなったものも有効活用しています。
※メニューは、季節や時期により販売していない場合がございます。
継ぐことを強制せず、仕事の楽しさを伝える
岩田さん:3人のお子さまがいらっしゃるとのことですが、梨農家を継いでほしいと声をかけていますか?
實川さん:まったくかけていませんね。自然な流れのなかで選んでもらえたらありがたいですが、強制はしたくない。ただ、仕事の楽しさは伝えたいと思っています。
岩田さん:お父さんが楽しそうに仕事に取り組む姿を通じて、おのずとやりたくなりそうですよね。
實川さん:農家の仕事には、生産だけでなく、加工、料理、販売など、農業にはいろいろな関わり方があります。日本一トラクターの運転が得意な農家、日本一料理が好きな農家など、いろんな農家がいてもいいと考えています。子どもたちが別の経験を積み、どこかで接点を感じ農業に参加してくれたらありがたいなとは考えている。
石井:違う経験をされた上で、そこから農業の魅力に気づくと、新しいエッセンスが加わり良かったりもしそうですよね。
農業は、ゼロから新しい価値をつくる仕事
石井:最後に、實川さんが感じている農業の魅力を教えてください。
實川さん:パティシエの頃から、自分たちで新しいものをつくり出すことに楽しさを感じていました。農業も同じです。何を育て、どう見せ、どう届けるかを自分で考えられる。ゼロから新しい価値を生み出せるところに魅力があります。
石井:土地や自然の条件はありますが、その中で育てるものや届け方を考える自由度は高い。生産にとどまらず、ビジネスを作っていくという点においては、経営とも直結しますよね。
實川さん:本当に自由です。だからこそ、自分で考えて形にする面白さがあります。
岩田さん:それを通じて、お客さん喜んでいるところが、みれたら嬉しいですね。
まとめ|農業は、ゼロから新しい価値をつくる仕事
担い手不足という課題に向き合いながら、栽培方法を整え、機械化を考え、加工や飲食まで仕事を広げる實川さん。その根にあるのは、農業を「決められたものをつくる仕事」ではなく、「新しい価値をつくる仕事」と捉える姿勢でした。
消費者にできることも、特別なことばかりではありません。産直コーナーで生産者の名前を見る、旅先や飲食店で出合った食材のつくり手を調べてみる。そんな小さな接点から自分の「推し農家」が見つかれば、日々の食卓と農業の未来は、もう少し身近につながっていくのかもしれません。
梨以外にも梨をつかった加工品や野菜・お米など旬の時期にあわせて鮮度高い農産物を取り揃えています。

通販サイトでお取り扱いしている加工品の例 (提供:株式会社アグリスリー)
※季節や時期により販売していない場合がございます。
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