つくる
2026.09.07

【岐阜・山県市】三井農園に聞く、栗農家の一年

「栗ができるまで」と栗ごはんがおいしい理由

※本記事は、2024年実施の取材内容を基に構成しています。

今年も栗の季節がやってきました。

その年に収穫した新栗だけを使って「栗ごはんの素」を作っている石井食品。この時期は工場以外の部署の従業員も、栗むきを手伝うほど社内は大忙しです。

栗ごはんを食べるのは大好き——でも、栗農家さんが一年を通してどんなことをしているか、ご存じの方は意外と少ないのではないでしょうか。秋に栗拾いをしたことはあっても、それ以外の季節の農家さんの仕事は、なかなか見られないものです。

今回は、2017年から毎年、栗ごはんでお世話になっている、岐阜県山県(やまがた)市・三井農園の三井重徳(みつい しげのり)さんにお話を聞きました。

目次

  • 三井農園・三井重徳さんってどんな人?
  • 山県市はなぜ栗づくりに向いているの?
  • 栗農家は秋以外に何をしているの?「栗ができるまで」の一年
  • なぜ栗の木は1列ごとに品種を変えて植えるの?
  • 栗農家が直面する「後継者問題」とは?
  • 次の世代へ——三井さんが続ける畑づくり
  • 石井食品 栗ごはんの素予約受付中

三井農園・三井重徳さんってどんな人?

岐阜県山県市で約4ヘクタールの栗畑を営む栗農家さん。15年前に栗農家に転身。

三井農園 三井重徳(みつい しげのり)さん 

1956年生まれ。15年前に栗農家に転身。約4ヘクタールの栗農園を、収穫の時期以外はほぼ一人で管理しながら、年間約3tの栗を生産している。石井食品とは2017年から毎年、栗ごはんの素用の栗づくりでお世話になっている。

三井農園 三井重徳さん

山県市はなぜ栗づくりに向いているの?

岐阜県山県市は3,000m級の山々に囲まれた山間地。急斜面は水はけがよく、山が蓄えた豊富な水もあって、栗の生育に適しています。

岐阜県は3,000m級の山々が多く存在するエリア。その地形を活かし、山間の急斜面で栗を育てているのが山県市の特徴です。斜面があるからこそ水はけがよく、栗にとっては好都合。さらに、山が蓄えた豊かな水も生育に良いのだそうです。

ただし、この急斜面が農家さんにとってはくせものでもあります。枝の剪定ではしごを立てるのにも時間がかかり、特に肥料をまいたあとの土はやわらかく、足場もグラグラ。人間にとっては過酷な環境で、栗は育っています。

栗農家は秋以外に何をしているの?「栗ができるまで」の一年

栗づくりは秋の収穫だけではありません。春の草刈りに始まり、夏の剪定・除草、秋の収穫・選果、冬の追肥まで、一年中作業が続きます。

「栗=秋」のイメージが強く、それ以外の季節に何をしているか知られていないことも多いのですが、実際は次のように一年をとおして作業があります。

——まずは草刈りから。近年は気温の高い日が続いて草がよく伸びるため、年間6回も草刈りをするようになったのだとか。その後、牧草を敷いて木が育つ環境を整えます。

——草刈りや除草剤で、しっかり木に栄養がいくよう配慮します。枝の剪定も行い、強い枝を残していきます。

——やっと収穫の季節。収穫して終わりではなく、サイズや品質を確かめる「選果(せんか)」を経て出荷します。多くは午前中に収穫し、お昼には洗浄・乾燥、夕方まで選果、という日々。多い日には1日で200kgも収穫するそうです。ここで大切なのが天気のデータ調査。天候や過去の収穫量を分析し、その日落ちる栗の量を予想して、パートさんのシフトを組みます。

——収穫が終わっても休めないのが農業。翌年の準備として、枝切り・葉落とし、追肥などを行います。化学肥料は使わず、自然の肥料を使うことで、栄養豊富な栗が育つように整えます。

なぜ栗の木は1列ごとに品種を変えて植えるの?

栗は、自分とは違う品種の花粉でないと実をつけないから。1列ごとに別の品種を植えることで、しっかり受粉させて実らせています。

そのため、木は1列ごとに品種のちがう栗を植えるのが、とても大切なのだそうです。

栗農家が直面する「後継者問題」とは?

栗づくりは一年中手間がかかり、兼業では続けにくいのが実情。担い手が減るなか、三井さんは辞めた農家の畑も引き受けて約4ヘクタールを管理しています。

もともと農業以外の仕事をしていた三井さんは、15年前に栗農家へ転身。現在は約4ヘクタールの栗畑を管理しています。想像がつかない広さ——調べてみたら、だいたい甲子園球場およそ1つ分でした!

近年は栗生産をやめていく人も多く、「受け継いでほしい」という声に応えて譲り受けた土地を管理するうちに、これだけ広い面積になったのだそう。

秋はパートさんの協力もあってなんとか収穫できますが、それ以外の時期は三井さん一人でのメンテナンス。体力的な苦労は尽きません。栗の生産は一年中休みなく手間がかかるもので、本業をしながら兼業で続けるのが難しいことも、辞めてしまう方が増えている一因なのだそうです。

次の世代へ——三井さんが続ける畑づくり

次の世代に栗の木を残すため、三井さんは低い苗木を植え、獣害対策も行っています。手入れしやすい畑を、未来へとつないでいます。

次の世代へ栗の木を残したいという思いから、三井さんは6年前から、栗の苗木を植える活動に力を入れています。植えるのは1mほどの低い苗木。そのまま低い状態で保つことで、次に育てる方が収穫や手入れをしやすいように配慮しています。ほかの農家さんから譲り受けた木の手入れも、惜しみません。

また、サルが栗を食べてしまうことも増えているため、害獣防除の鉄柵を配置するなどして土地を守っています。

わたしたちがおいしい秋の味覚に出会えているのも、三井さんのような方の存在があってこそ、なのですね。

そんな三井さんおすすめの栗の食べ方は——

  • 焼き栗
  • 栗の丸ごとフライ

今年は農家さんの日々の努力に思いを馳せながら、秋の味覚を楽しんでみませんか。

栗ごはんの素 予約受付中!

今年の新栗を使った石井食品の『栗ごはんの素』は、ただいま予約受付中です。三井農園さんのある岐阜県山県市をはじめ、全国4か所の産地の栗を、それぞれの持ち味そのままにお届けします。

石井食品の『栗ごはんの素』は、その年に採れた国産の和栗だけを使用。収穫後できるだけ早く加工することで、砂糖や食品添加物は使用せずに仕上げています。ごはんに栗と調味液をまぜて炊くだけで手軽に本格的な栗ごはんが楽しめます。

産地ごとの味わいのちがいも、この商品の楽しみのひとつ。岐阜県山県市の栗は、香りと甘みが強く、ほっくりとした食感が持ち味です。ほかにも、甘みが強くホクホクした食感の茨城県笠間市、上品な風味とねっとりした食感の京都府京丹波町、大粒でホクホクの熊本県やまえ村と、産地の食べ比べも楽しめます。

お届けは10月以降を予定しています。

栗ごはんの素について詳しくはこちら:https://cp.directishii.net/kurigohan