館玉ねぎのドレッシングはどう生まれた?私市醸造と石井食品のものづくり
茨城筑西(ちくせい)市の館玉ねぎを使ったドレッシングは、石井食品による農産物の一次加工と、私市(きさいち)醸造の酢・調味技術を組み合わせて生まれました。異なる強みを持つ2社がどのようにつながり、1つの商品を完成させたのか。開発の舞台裏を伺いました。
目次
- なぜ、酢の会社とミートボールの会社がつながった?
- 農産物を商品にするうえで、どんな壁があった?
- 石井食品と私市醸造は、何を担当した?
- 茨城筑西市の館玉ねぎを使ったドレッシングはどう生まれた?
- 畑違いだからこそ、埋められる工程がある
- まとめ
- 商品紹介
お話しを伺った方
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私市醸造株式会社 代表取締役社長 私市一康さん 1960年鎌ケ谷市生まれ、大学卒業後ハインツ日本株式会社へ入社、新製品開発部所属。 |
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私市醸造株式会社 伊藤さん 1972年千葉県生まれ、2007年私市醸造(株)入社。 |
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私市醸造株式会社 野口さん 1975年東京生まれ、2007年私市醸造(株)入社。 配送業務、営業部を担当。 |
なぜ、酢の会社とミートボールの会社がつながった?
私市醸造と石井食品の接点をつくったのは、私市さんの娘さんでした。同じ千葉県に拠点を置く二社で、何か一緒にできないか。そう考え、自ら石井食品へ足を運んだといいます。
私市さん:娘は、小さいころから石井食品さんのことは存じ上げていました。同じ千葉県だから、何かできるんじゃないかと、その一心で、私の娘がお声かけしたのが最初です。
編集部:ミートボールやハンバーグの会社と酢の会社では、最初は組み合わせを想像しにくかったのではないでしょうか。
私市さん:私もそう思いました。ところが予想に反して娘が飛び込んだ結果、興味を持っていただいて、やり取りが始まりました。
会社の規模やつくっているものの違いを越えて、一人の行動から関係が動き始めました。最初から商品が決まっていたわけではなく、私市醸造が扱う素材について「これは使えますか」と相談するところから、互いにできることを探っていったそうです。
農産物を商品にするうえで、どんな壁があった?
私市醸造には、以前から地域の農産物を活かした商品をつくりたいという思いがありました。しかし、農産物をドレッシングにするには、酢や調味料を合わせる前の工程が必要です。
私市さん:農産物を丸ごと渡されて「ドレッシングにして」と言われても、うちには処理する工程がありません。果物ならジュースに、農産物ならペーストやピューレにしていただければ、配合を組んで瓶詰めできます。でも、そこで止まってしまった案件がたくさんありました。
地域には活かしたい素材がある。私市醸造には、酢をつくり、味を組み立て、瓶詰めする技術がある。それでも、畑から届いた農産物を加工できなければ、両者はつながりません。必要だったのは、その間を埋める技術でした。

ドレッシングの瓶詰工程の様子
石井食品と私市醸造は、何を担当した?
地域の野菜を使ったハンバーグやカレーなどを手がけてきた石井食品には、農産物を一次加工して整える工程があります。石井食品でもこの技術を応用し、ピューレやペースト開発に取り組んでいるところでした。
伊藤さん:素材の処理ができないという困りごとを伝えたら、「ペースト・ピューレ」のお話しをいただいて。そこから急に話が大きく広がっていきました。実際に食べていただいて、「これ、おいしいね」となって、一気に進んだんです。
野口さん: ベースとなるしょうゆもいろいろ探して、研究していました。「これがたまねぎに合うのでは」と選んだしょうゆとの組み合わせも、よかったのだと思います。
私市さん:石井食品さんが入ってくださったことで、農産物を使用した商品づくりのハードルが一気になくなりました。すごく良かったと思っています。
石井食品が農産物を一次加工し、私市醸造が酢づくりと調味の技術で仕上げる。どちらかだけでは止まっていた工程が、二社の役割をつなぐことで、商品づくりの流れになりました。
館玉ねぎは、どうドレッシングになった?
この連携から生まれたのが、茨城県筑西市下館地区の「館玉ねぎ」を使った『館玉ねぎのごちそうドレッシングこく旨しょうゆ』です。館玉ねぎは、大ぶりで肉厚。甘みとみずみずしさがあり、熱を加えても風味が逃げにくい、味の濃い玉ねぎです。
その持ち味を、1本の中でどう伝えるか。商品では、館玉ねぎをダイスカットとなめらかなピューレの2つの形に加工しています。角切りの玉ねぎで肉厚な食感を残し、ピューレで甘みとみずみずしさを全体になじませる二層仕立てです。しょうゆをベースにした濃厚な味わいで、かけるだけでなく、玉ねぎそのものを「食べる」ように楽しめるドレッシングに仕上げました。
石井食品が館玉ねぎを加工して私市醸造へ届け、私市醸造がドレッシングとして味を整え、製造する。館玉ねぎという地域の恵みに、石井食品が積み重ねてきた農産物加工と、私市醸造が100年以上培ってきた酢と調味の技術が重なりました。
本商品は、石井食品が大切にしてきた無添加調理※1の考え方にも沿ってつくられています。私市醸造が大切にする「余計なものを加えたり、大切なものを引いたりしない」という姿勢とも、つながります。
※1 石井食品での製造過程においては、食品添加物を使用せずに製造しています。

館玉ねぎのごちそうドレッシングこく旨しょうゆ 盛付例
畑違いだからこそ、埋められる工程がある
私市さんは、連携の土台にあるのは一次産業への共通した思いだと話します。
私市さん:石井食品さんは一次産業に注力されていて、地域への貢献を大切にしている。わたしたちも、一次産業への思いはずっと持っていました。
私市醸造が掲げる使命は、「食の世界を広げ、人生の味わいを深める」ことです。地域で育った農産物を、これまでとは違う形で食卓へ届ける今回の取り組みも、その使命につながっています。館玉ねぎの持ち味を生かしながら、新しい食べ方を提案する。二社の商品づくりは、地域の素材と食べる人との接点を広げる試みでもありました。
ミートボールの会社と酢の会社。つくっている商品だけを見れば、離れているように映ります。しかし、片方が農産物を使える状態に整え、もう片方が調味して仕上げることで、それぞれの設備や技術だけでは越えられなかった壁を越えられます。違いは、距離ではなく、役割になりました。

私市さん
まとめ
「同じ千葉だから、何かできるかもしれない」。その飛び込みから始まったつながりは、地域の農産物を商品へ変える具体的な仕組みになりました。石井食品が素材と一次加工を担い、私市醸造が酢と調味の技術で仕上げる。茨城筑西市の館玉ねぎを使ったドレッシングは、2社の得意分野を持ち寄ることで、館玉ねぎの甘みと食感を届ける、新しい1本として生まれました。
商品紹介

『茨城筑西市の館玉ねぎを使ったドレッシング』
名産の「館玉ねぎ」を主役に、みずみずしい玉ねぎをふんだんに使用した濃厚なしょうゆベースのドレッシング。玉ねぎの風味と食感がしっかりと感じられ、野菜にもお肉にもぴったり! 食卓の一品があっというまにメインディッシュに変わります。館玉ねぎの甘みと食感が加わり、食卓の一品を主役へ近づけてくれます。
販売店:石井食品公式オンラインストア https://shop.directishii.net/shop/g/g8210822/


