「言える保証」を積み上げる。
——石井食品の品質保障部が語る、畑から食卓までをつなぐ安心の作り方
「品質保証番号」——石井食品の商品パッケージに印字された小さな数字の列は、使用した原材料の産地から収穫時期、製造時刻まで遡ることができる「追跡の証」です。2001年から導入されているこの仕組みは、石井食品の品質保障部が長年積み上げてきた「言える保証」の象徴でもあります。
しかし、その番号をパッケージに刻むためには、書類一枚では終わらない確認作業があります。畑に足を運び、サプライヤーの工場を点検し、賞味期限の最終日まで自分で食べて確かめる——。その徹底した姿勢が、石井食品の品質保証を他社と分けるものです。
今回は、品質保障部の奥乃さんと三山さんに、現場の仕事と「妥協しない文化」の正体を語っていただきました。
司会・編集:オウンドメディア編集部(ESG推進チーム:仲山/顧客体験デザイン部:坂本)
目次
- 自己紹介と現在の役割
- 製造プロセス全体を見通す「司令塔」としての品質保障部
- 畑から工場へ。品質保障部も参加する「工場点検」
- 安心を支える「妥協しない文化」と未来の挑戦
自己紹介と現在の役割
坂本: 本日は、石井食品の製品の安心・安全を現場で支える品質保障部から、奥乃さんと三山さんにお話を伺います。まず、お二人のキャリアを教えてください。奥乃さんは、さまざまな部署を経験されていますね。
奥乃: はい。入社後、営業や製造を経験し、他社での勤務も経て、品質保障部に戻ってきました。この経験のおかげで、製品ができるまでの全ての工程と、お客様の視点の両方を理解できていると感じています。
三山: 私は入社以来、品質保障部に在籍していますが、検査担当や現場品質担当など、部署内でいろいろな役割を経験してきました。常に新しい知識が必要で、飽きることがありませんね。
製造プロセス全体を見通す「司令塔」としての品質保証
仲山: 品質保障というと「最終チェック」というイメージがありますが、品質を「保障」する範囲はどこまでなのでしょうか?
三山: 私たちは最終製品だけを見ているわけではありません。原材料の調達から、工場での加工、包装、そしてお客様の手に届くまで、製品が出荷されるまでの全ての工程に関わっています。品質保障部は、製造工程全体が正しく運用されているかを検証する、いわば「司令塔」のような役割だと考えています。
奥乃: 私たち品質保障部のミッションは、「ご家庭の食卓に、おいしいと笑顔をお届けし続けること」です。そのためには、製造の全プロセスをチェックし続ける必要があるのです。
畑から工場へ。品質保障部も参加する「工場点検」
坂本: そのプロセス管理は、製品づくりが始まる前の「原材料」の段階から始まっていると聞きました。
奥乃: まさにその通りです。石井食品の製品は、原材料の品質がすべてと言っても過言ではありません。無添加調理ですから、ごまかしが効かないんです。
三山: 私たちは、原材料の品質を保証するため、原料メーカーや畑への「工場点検」「産地点検」を、原材料を仕入れる部署と一緒に行っています。
仲山: 品質保障部の方が、畑やサプライヤーの工場まで足を運ぶというのは、他社ではなかなか聞かない取り組みです。なぜそこまでするのでしょうか?
奥乃: 一般的には、原料メーカーが提供する「検査結果」の書類を一枚受け取って終わり、というケースがほとんどです。しかし石井食品では、野菜であれば残留農薬、肉であれば抗生物質について、書類だけでなく、実際に栽培・飼育環境、そして製造プロセスがどうなっているかを自分の目で確認します。
安心を支える「妥協しない文化」と未来の挑戦
仲山: 多くのコストと手間をかけてまで、この徹底した検査を貫き通せるのはなぜでしょうか?
奥乃: やはり、無添加調理にこだわり続けるからです。そして、当時の社長(石井健太郎)や、品質保証を担った先輩方が作り上げた「妥協しない」という文化が、私たちの中に確かに受け継がれています。
三山: こういった原材料からスタートする品質保障への徹底が、私たちの製品に印字されている「品質保証番号(※1)」に現れています。この品質保証番号を追っていただければ、使っている原材料の産地・品種・加工地などをお客様もご確認いただけます。この番号を製品に印字できるというのは、私たち品質保障部の誇りです。
坂本: 最後に、この高い品質基準を、今後は社外にも広げていくプロジェクトも始動していますね。
奥乃: はい。私たちはこれまで「守り」に徹してきましたが、今後はこの厳しいノウハウを、社外のスタートアップ企業などに教育として提供する「攻め」のプロジェクトが始まっています。
三山: 石井食品が培ってきたこの「安心の基準」が、他でも通用することを証明し、社会全体の食の安全性を高めることに貢献したい。私たちの「やりすぎ」とも言われるこだわりこそが、日本の食の未来を支える力になると信じています。
※1 品質保証番号とは
当社製品に使用するすべての原材料は、調達時に産地や品種などの情報を盛り込んだ二次元データコードを貼付することで管理されています。これらの情報を製品に付与した「品質保証番号」と紐づけすることで、一つひとつの原材料の詳細な情報がわかるようになっています。2001年より石井食品の公式サイトに設置されている「OPEN ISHII」は、「品質保証番号」を使用して、どなたでも簡単に原材料の履歴や検査結果などの情報を検索できるシステム。製品名と「品質保証番号」、賞味期限を入力すると情報が表示されます。
【編集後記】
「賞味期限の最終日まで、実際に食べて確認します」——三山さんのこの言葉が、記事を書き終えた後も頭から離れません。書類を一枚受け取れば済むところを、なぜわざわざ食べるのか。「言える保証」にしたいから、という答えに、石井食品の品質保障部の本質が凝縮されていると思いました。妥協しない文化は、先輩から後輩へ、確かに引き継がれています。