2026.10.21

素材の持ち味を、食卓へ。中川政七商店が大切にする食品づくり

日本の工芸に根差した生活雑貨を届ける中川政七商店。生活雑貨に加え、日本の食文化や郷土料理に着想を得た食品も届けています。その食品づくりでは、素材の持ち味をどう引き出し、食卓へ届けているのでしょうか。石井食品との商品開発にも携わる丸岡さんに、商品を選ぶ視点と、作り手との向き合い方を伺いました。

目次

  • 工芸を届ける中川政七商店が、食品を手がける理由
  • 素材のおいしさに気づいた、ようかんとの出会い
  • 作り手との対話で、素材の持ち味を引き出す
  • 日々の食卓から、日本の食文化をつなぐ

お話を伺った方

丸岡さん
株式会社中川政七商店で食品の商品企画・開発を担当。

工芸を届ける中川政七商店が、食品を手がける理由

編集部:まず、丸岡さんのお仕事について教えてください。

丸岡さん:中川政七商店で、食品の商品企画や開発を担当しております。「日本の工芸を元気にする!」というビジョンのもと、全国の作り手さんと日本の工芸をベースにした生活雑貨をつくり、届けています。うつわなどの食卓道具を、より楽しく、おいしくお使いいただけるように、日本の食文化や郷土料理に着想を得たグロッサリー商品も展開しております。グロッサリー自社商品の企画立案・製造先選定・開発業務に加えて、他社製品の仕入なども合わせて行っております。

 

丸岡さん (提供:株式会社中川政七商店)

素材のおいしさに気づいた、ようかんとの出会い

編集部:商品を選び、つくる際に、特に大切にしていることは何ですか。

丸岡さん:特に重視しているのは、味と品質です。素材の質は商品のおいしさに直結すると考えており、できる限り国産や良質な素材を用いることで、素材自体がもつ風味を活かしたおいしさを感じられるような商品づくりに取り組んでいます。

編集部:素材の魅力を改めて感じた、印象深い商品はありますか。

丸岡さん:今年の春頃から仕入販売させていただいてる「あんこどき」のひとくちようかんが特に印象に残っています。こちらの商品の監修に携わる和菓子職人のまっちんさんからご紹介いただいたのですが、小豆や果物などの素材そのもののおいしさが活きており、ようかんってこんなにおいしかったのか!と驚きました。素材選び・配合・製法等の工夫を知り、素材の活かし方の可能性について改めて考えるきっかけにもなりました。

素材の質に加え、配合や製法もおいしさを左右する。ようかんの味への驚きから、話は素材の持ち味を引き出す工夫へと広がりました。

作り手との対話で、素材の持ち味を引き出す

編集部:作り手の方と商品をつくるときは、どのようなことを大切にしていますか。

丸岡さん:素材へのこだわりや、素材のおいしさを活かすにはどうすればいいかを大切にしながら作り手の方と向き合うよう意識しています。素材によって一番良い製法や配合は様々なので、素材について詳しいメーカー様との対話を通して商品の仕様を作り上げています。また、お客様にその商品のおいしさが伝わるよう、素材の特長や製法の工夫についてもお伝えするようにしております。

作り手との対話は、味をつくるためだけではありません。素材の特長や製法の工夫を知り、そのおいしさの背景もお客様へ伝えるところまで、丸岡さんは大切にしています。

商品イメージ (提供:株式会社中川政七商店) ※一部の商品は販売を終了しています。

日々の食卓から、日本の食文化をつなぐ

編集部:食品を手がける中で、これからの食卓につないでいきたいものは何でしょうか。

丸岡さん:工芸が使われ続けるためには、「日本の暮らし」があることが大切だと考えています。私はその暮らしを支える「食」の領域において、日本の食文化や食材を活かした商品づくりに励み、未来に繋いでいきたいと思います。近年ではライフスタイルの変化や、食文化の多様化により、日本の食文化に触れる機会が少なくなっているのではないかと感じます。だからこそ、地域の風土が育んだ食材や、季節を感じる旬の食材を用いた商品を展開することで、日本の食のおいしさや豊かさに改めて気づいてもらえる一助になれば幸いです。

地域の食材や季節の味を、今の暮らしの中で楽しめる商品にする。中川政七商店の食品づくりには、日々の食卓を通じて、日本の食文化に触れる機会を届けたいという思いがあります。後編では、その考えが「丹波しめじの五目まぜごはん」にどうつながったのか、石井食品との商品づくりについて伺います。

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